ドルオタ記

オタクの現場メモ

DECADANCE-太陽の子- メモ

DECADANCE-太陽の子- 登場人物ごとのメモ

 

ネタバレ含みます。

 

テイラー 塩野瑛久

希望に満ちあふれたキラキラ幼少時代と、すべてをあきらめてしまったような現在のテイラーの差がすごい。塩野さんの肩と首と息遣いと髪と布の使い方が最高。セリフがあるときはもちろんのこと、セリフがない時の演技がすごくすごく好き。アンナやジェンバのもとから去ったのは、研究のためだろうか。昔のテイラーとはかなり様子が違うが、それでもなおみんながテイラーを頼り期待している姿を見ると、すごく慕われていたんだなぁと思う。周りの人を突き放そうとしているが突き放し切れていなくて、テイラーの根底にある優しさを感じる。テイラースウィフト衝撃過ぎて最初は塩野さんだと思わなかった。地面に落ちたビラを拾うためにスカートを抑えながらしゃがもうとするシーンがあるがとてもぎこちないし立ち姿が男性的で、同じ女装でも女性に寄せようとしている毛野役の時とは違うなぁと思った。現代のテイラーを演じる塩野さんはめちゃくちゃ猫背になっていたり髪の毛が顔にかかり影をつくっていたり、憂いを帯びていると感じた。塩野さんの演技における佇まいが本当に好き。

マリウスがなぜあんな挑発をしたのか考えないと」のところでは、マリウスの目的にどこまで気づいていたのか。

一番最後の「大丈夫、俺たちは太陽の中心だ」は、すごくキラキラしていてまるで本当に太陽の中心のようだった。テイラーの周りの人たち、太陽系の惑星に由来しているのかと考えてみたけれどこじつけ感強くなってしまって良く分からなくなった。

最後に膝に手を付き深くお辞儀する塩野さん好きです。

 

マリウス 長妻怜央

体幹がしっかりしていて殺陣がすごくかっこいいと思った。マリウスは「王位に興味はない。あるのは...」と言いかけるが、「いえ。」と結局いえなかったり、エリシアを襲った人を必要以上に切りつけたり、すごくすごくエリシアのことを思っているのにエリシアには伝わっていない。でも最後のほうにエリシアが「いってらっしゃい(気をつけて?)」と見送るシーンでは、ちゃんと伝わったんだなぁと。

「黙れ――!」の一言で民衆を黙らせるシーンビリビリきた。長妻くん自身はめちゃくちゃ「陽」の人というイメージがあるが、全くそれを感じさせない「陰」の演技ですごかった。

「アンナにちゃんとやれ」とジェンバに伝えるシーンがあるが、アンナに自分を殺させて王家を滅亡させるつもりだったのだろうか。なんの根拠もないけれど、アンナの名付け親マリウスだったりしないかな~と思う。

 

ジェンバ 猪野広樹

ジェンバは最初からずっとマリウスのために動いていたのだなぁと思ったけれど、それはマリウスの考えをどのくらい知ってのことだったのだろうか。久しぶりに再会したマリウスが握手しようと差し出した手をスルーするジェンバは、それが形だけの友好であると気づいていたからだろうか。お尋ね者のテイラーのもとに訪れ「マリウスが王に即位する」と伝えたり、マリウスに過去の友人であるように発言された後も「友達」だとはっきり言ったり、エリシアに「あいつを見捨てないで」と頼み込むシーンなど、ジェンバめちゃくちゃ仲間のために動いているなあと思った。アボカドヒゲダンスおもしろかった。

 

パサド 小南光司

キャラデザが一番好きかもしれん。手品失敗して「え?」っていうところとか口からトランプだしたりとかアボカドとかかわいい。度々、ユベールとともに「のけ者組」っていっているのちょっと切ないなと思う。幼馴染組みで一緒にいたかったよね。「太陽と月をまとめる~」でジェンバが土の子になったとき、パサドのこと入ってなくてさみしい。昔のパサドは冒険中おびえた声を出していて、飄々としてつかみどころがないイメージは全然ないけれど、「水の子」と決めてからつかみどころのない人に寄せていったのだろうか。道化師という職業を選んだのもそのため?

カヤルの首を刺して、その後トランプを投げて息絶える姿、死に際としてかっこよすぎる。

 

アンナ 白本彩奈

神父に祈る姿めちゃくちゃ美しかった。最初はすぐに「ごめんなさい」とあやまったり、控えめな子という印象だったが、魔女として民衆の前に立つ姿はとても凛として芯の強い女性だと思った。テイラーと別れた後、一度も泣いていないことからもその強さがわかる。幼いアンナを泣かせるほど関わっていたはずのマリウスのことは覚えている様子を見せず、テイラーだけを覚えているの悲しいなあと思った。アンナが17歳で、テイラーたちの冒険が15年前、テイラーたちがアンナをみつけたときアンナは2歳だが、アンナを2年か間育てたのは誰だろうか。

 

オルタンシア 尾崎由香

「やめてあげたら~?マリウス様?」の声で登場したオルタンシア。とにかく声がかわいい。シオンとのやりとりが癒し。両手をあげて「はーい!」ってやるところかわいい。煎餅むさぼり食うところかわいい。逃げても逃げても可愛いが追いかけてくる。

声や姿から一見幼いように見えるけれど、シエルと関わるシーンや近衛軍率いているシーン見ると、強くてかわいいお姉さんだなぁと思った。途中、複数人と戦うシーンでは一人で笑みを浮かべながら余裕で戦っていたのに、シエルをかばったあとはわりと呆気なくやられてしまったのは、瀕死のシエルに「力をあげるわ」と力を分け与えたからだろうか。最後、四方八方から襲いかかられスローになり身を切られる姿は涙なしには見られない。200年後神父(神?)と一緒にいるシーン、「天使ちゃ~ん」と言われているので、オルタンシアは天使?二人が神と天使の関係であるとすれば、オルタンシアは位の高い天使だろうか。牢屋に入るテイラーに「思い出(思い入れ)があるんじゃない?」といったのは、シオンから聞いていたからか、それとも天使として全てを知っていたからなのか。

 

エリシア 田中良子

普段落ち着いた話し方をしているため、マリウスに「もうやめなさい!」と叫ぶシーンやアンナが生きていると分かった時などの感情があらわになった時のギャップがあると思った。マリウスに「偽りの王家を続けるから」といわれていたが、「偽り」とは?あなたが愛した人はあの子とともにいなくなったとも言われていたので、エリシアはシオンの前に別の人と結婚していたのだろうか。

「こんな国いらない。全てを捨てたい。」の一言からすべてが始まったが、何も望まないエリシアが発したその言葉はすごく重みがある言葉だね。

 

カヤル 中村誠治郎

スポットライト当たって「犬顔...」って呟いて消えたシーンめちゃくちゃ面白かった。

真面目な顔してふざける。バナナ着てきたり藤崎マーケットみたいな格好で出てきたり犬被ってきたり。

殺陣次郎と言われていただけあって、もーーーーとにかく殺陣がめちゃくちゃかっこいい。シオンとともに移動したあと階段を降りながら兵士を突き刺す、そこからの武器をブンブン振り回しながら戦うところ好きすぎる。マリウスの目的を知っていて協力している。おまえの前だけは月ではなかったぞ。
マリウスとの主従関係が最高ですが、そこに至ったきっかけが気になる。

 

ユベール 村田洋二郎

仮装祭でのモノマネめちゃくちゃうまかったり、客席に突然あらわれたり、テイラーたち4人になめられていたり、笑いの要素がめちゃくちゃ強い。めちゃくちゃ面白い。

ダナエとの子が殺された話をあのタイミングでするのずるいよ~~~!昔のテイラーを知っているからこそ、テイラーを頼ってしまっているんだけれど、それがどんどんテイラーに重くのしかかってしまう。
それまではあまり率先して正面突破する印象がないが、マリウスに「革命軍ファルコンだ!!!」と叫んで特攻していくのかっこいいけどつらい。

 

グリーン 菊池修司

アンナを気にかけてまわりうろちょろしたり、ダナエに突き飛ばされてアンナの足元に転がったときに「ちゅっ」て投げキッス飛ばしたり、アンナに棒を渡す前に「ん~まっ」って棒にキスしたり、ダナエに蹴られてバランスを崩したあと、「オリンピック!」ってやったり、コミカルで愛らしいなぁと思った。

ダナエが連れていかれた場面に遭遇した時、ダナエがアンナを守ろうとしているのを分かっているから「魔女はダナエじゃなくアンナだ」とは言っていないんだろうなぁ。火炙りにされる姉をみて、ユベールやアンナのように抵抗しようとするのではなく、力無く座り込んで涙を流し姉の姿を見ていたのが印象的。そのシーンすごく好き。マリウスの頭に銃をつきつけるが、「もう誰にも血を流させない。」と言って銃を捨てたグリーン。登場人物それぞれにどこか心の弱さがあるが、グリーンはとても強い子だと思った。菊池さん大好きになっちゃう。

 

シェリーニ 芦原優愛

資料で叩いて敵を追っ払ったり、デカダンに出てくる女性は強いなぁと思った。しっかりしているお姉さん。マリウスがジェンバに「さもないとシェリーニを殺す。とっくに調べはついているんだ。」というシーンがあるが、「調べ」とは?
アンナの姿をみたとき、なにかしら気にかかるような素振りを見せたが、その時気にかかったことはなんだったのか。ジェンバの妹だと気づいたのか、それともアンナが魔女だと気づいたのか。
シェリーニは何をどこまで知っていたのか。

出来事を記録に残した作者は、「ジェンバ、シェリーニ」ではなく「ジェンバ・シェリーニ」

 

ダナエ 片山萌美

出てきたときから「最初はあたりが強いけれど、後に力になってくれる本当は優しい人のそれじゃん」と思った。

チャイナ姿が美しすぎて、扇子で扇いでもらえなかったことが悔やまれる。なんで私の席最前じゃないのか。
余裕の無いテイラーに「アンナに優しい言葉のひとつかけてやれないのか」と言ったり、アンナの代わりに魔女として出ていったり、火炙りにされる直前にユベールやグリーンやアンナに声をかけたり、本当に仲間思いの姉さん。ダナエさんに着いていきたい。かっこいいよダナエさん。

 

シエル 小室さやか

テイラーの名を大声で連呼しながら登場したシエル。元気一杯で男勝りなやたらと「殺すか?」と連呼する。テイラーに「いつまで側にいる?」「行け」と言われて「ちょっと外みてくる」と出ていくのめちゃくちゃ健気。
「お願いします!」と必死に祈る姿、「神様っているのか?」と言っているし、エリシアやアンナと比較すると祈る姿がぎこちないことから、シエルが神に祈ったのは初めてなのかなと思ったり。「テイラーを助けてあげて」ではなく「テイラーを助けるための力がほしい」と自分の力で助けてあげたいと祈る姿見てめちゃくちゃ泣いた。
ボロボロになって牢屋のテイラーのもとへたどり着き、そんな状態でもなお「大丈夫か?」とテイラーを気にかけ、「ちょっと眠るだけだ」や、テイラー「言ってなかったけれど、俺は太陽の子だ。」に対して「はは、なんだそれ」と笑ってみせる姿、最後までテイラーに心配かけないようにしているようで、どこまで健気なんだこの子は。

alomの小室さやかさんをほんの少しだけ知っているだけだったから、すごく演技上手でびっくりした。

 

神父 荻原崇

こんなに色気あふれる神父がいていいのだろうか。ほとんど露出のない服を着ているが、あふれ出る色気。飄々としたしゃべり方と落ち着いた優しい語り口が良い。

シオンとともに「生きています」ってやるところや、「許しましょう」ってやるところ楽しそうで好き。

「貴方は神を信じますか?」って力強く言うところ迫力がすごい。かっこいい。剣は使わないって言っていたのに斧は使うんか~~~い!神父さん登場時の場面転換や、オルタンシアを連れていくシーンで雷音轟くところすごくかっこいい。

オルタンシアとともに、200年に1度生まれる魔女伝説を見守り続けているのだろうか。

 

シオン 谷口賢志

シオンはどこまで知っていたのか。

最初は仮装祭に参加しないといっていたシオンが、カヤルに襲われた後参加を決めるのはどうしてか。

「優しさか、そうでないならば別のほうか。」や、「考えていることがあっているとすれば、あなたはとんでもない王だ。」、「あの人はそういう人です。気づいていないのはマリウスだけ。」など、シオンの考えについて言及する人はみなその考えについてはっきり口にしていないので、シオンの目的がはっきりとはわからないと思った。現代文のテストで傍線部Aにされそう。

シオンが悪役でそれをみんなで倒すお話かと思っていたが、そうではなく「善人にも悪人にもなりたくない」と言っていたように、どちらでもない、というか私にはどちらかというと善人に見えた。